Linux は Mac OSX よりも優れている?

2008/12/25 (木)

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ZDNet Japanが、LinuxがMac OSXよりも優れている10のことを掲載していました。

個人的に、Linuxは好きなOSの一つです。もちろん、Mac OSXもWindowsも好きです。ただ、こうしてLinuxがMac OSXよりも優れていると声高々に言われてしまうと、本当にそうなの?とあまのじゃくになってしまうのが私の特徴でもあるので、検討をしてみたいと思います。

●1 柔軟性

Mac OS Xを使ったことがあるのであれば、ユーザーフレンドリーであることは認めるものの、柔軟性はさほどないということが判っているはずだ。(中略)例えば、デスクトップ上にDockだけを表示させたい(タスクバーとしての機能はデスクトップに統合しておきたい)と思ったとしよう。しかし、こういったことを実現することはできない。(中略)Linuxの場合、話は違ってくる。タスクバーを表示させずに、その機能だけを使いたいんだって?何の問題もない。タスクバーやパネルには、どのような機能でも追加することができる。つまり、Linuxはあなたが考えるどのような設定でも受け入れてくれるのだ。それでも気に入らないというのであれば、他のデスクトップやウィンドウマネージャを選択するということもできるのだ。

選択肢が多いというのはよいことだけど、それ自体は優れている理由にはなりませんね。例は悪いけど、果物ナイフと十徳ナイフを比べているようなものだと思う。缶も開けられる&栓抜きにもなるけど、じゃあ十徳ナイフが果物ナイフより優れているかというとそうではないと思う。少なくとも十徳ナイフで果物は切りたくない。

●2 オープンソース

優れたオープンソースのソフトウェアはたくさんあると思う。それは間違いない。ただ、オープンソースだから優れているという考えは強引すぎると思う。

●3 コマンド行

Mac OS Xユーザーのほとんどは、異論を唱える(つまりコマンド行など必要ないと主張する)かもしれないが、パワーユーザーであればちゃんとした管理作業を行うためにコマンド行が必須であることを理解しているはずだ。この点から見ると、Mac OS XはLinuxよりも劣っていると言える。Linuxでは、行う必要のあることすべてをコマンド行から行えるようになっている。Mac OS Xではどうかって?幸運を祈る。確かにMac OS Xにも数多くのコマンド行ツールが用意されているものの、様々な作業を行う必要のある真の管理者にとって、それだけではまだ十分ではないのだ。(略)

コマンド行>GUIという式が常に成り立つのであれば、この考えは間違ってないと思うが、コマンド行<GUIという場合も多々あると思う。むしろ、こちらのケースが多いから、Windowsが爆発的にヒットしたんだろうと思う。そういう意味では、直感的なGUIの下に盤石なUNIXがあるMac OSXは非常によいOSだと思う。Linuxは今でもコマンドラインからでないとインストールできないソフトウェアがたくさんある。

●4 ハードウェア要件

(略)CPUは800MHz、RAM容量は512Mバイトだ。しかし、Mac OS Xを稼働させるには、このマシンでは遅すぎるのだ。ところがこのノートPCでも、Yellow Dog Linuxであればずっと軽快に動作する。(略)

Linuxが貧弱なハードの上で動作するのは知っています。でも、Ubuntu Linuxを標準でインストールしようとすると結構な容量が必要になると思う。このあたりの戦いでは、あらゆるLinux vs Mac OSXとなることになってアウェイ感が高いですね(Windows Mobile vs iPhoneの時を思い出します)。また、今のようにハードウェアのコストが低い(5万円もあればそれなりの構成が可能ですよね)ときに、700MHzのCPUで〜という話をするのは建設的ではないと思う。

●5 セキュリティ

セキュリティ面において、Linuxにはより優れた備えがなされているのだ。(中略)iptablesやfwbuilderといったツールとSELinuxを用いることで、Linuxは様々なレベルでのロックダウンを様々な方法で実現できるのだ。このため、他のLinuxディストリビューションでも、こういったカーネルレベルのツールを追加することで、セキュリティレベルを強化することができるはずだ。このことから、セキュリティ面においてLinuxがMac OS Xを凌駕しているということを理解してもらえるはずだ。

セキュリティ対策の行われたとあるLinuxと標準のMac OSXを比較するのは都合が良すぎると思う。未だにノーマルなinetdが走りファイアウォールの入っていないLinuxをあるはずで、どうしてそういったものが比較からは都合良く除外されるのか?Mac OSXにもiptablesに似たipfwは装備されていて、私の環境ではipfwによって無駄なポートは閉じられている。つまり同様の強化はMac OSXでも可能だ。また、Mac OSX 10.5だとFileVaultをONにするだけで自分のファイルを暗号化して守ることができる。デフォルトでこういった機能が入っていることは評価してもいいと思う。

●6 ポータビリティ

Linuxは、ハードウェアからハードウェアにインストールを移行する能力についても、その他すべてのOSよりも優れている。(中略)私は、2つのマシン間でハードディスクをそっくりそのまま差し替えたことがある。アーキテクチャが同じである限り(つまりx86マシンとx86_64マシン間の差し替えでない限り)、ほとんど調整を必要としないか、場合によってはまったく調整せずに差し替えを完了することができたと言える。一方、Mac OS Xはインストールされているマシンに釘付けされた状態となる。(略)

どういう評価なのかイマイチよくわからないが、少なくとも優位性とは関係ないと思う。

●7 コスト

最初にOS単体のコストを挙げることができるだろう。Linuxは無料だ。(略)次にハードウェアのコストを見てみることにしよう。最も安価なMacBookは999ドルである。一方、Linuxを稼働させることのできるノートPCはどのような小売店でも399ドルもあれば購入できる。Macの場合、必要なソフトウェアのコストも結構な金額になるはずだ。Linuxの場合はどうなんだって?無料なのだ。(略)つまり、コストを削減したいと思うのであれば(この不況下では、コストを削減したくないという人などいないだろう)、Linuxが選択肢となるはずだ。

Linuxが無料でMac OSXが有料というのは間違っていない。現に、Linuxが無料ということでサーバとして利用する人は多い。それでも、有料で高いWindows Serverがサーバ市場を握っているのはどうしてだろう。やはりそれはLinuxの導入が無料でも管理が高コストになるからだと思う。これを言ってしまうと話が終わってしまうが、かつて、UNIXがサーバ市場を掌握していた時代からそのシェアを落ちていく間、Linuxがそんなに優れているならどうしてLinuxの時代になっていないのだろう。やはり導入が面倒、管理が大変、コストがかかるといった面があったからではないだろうか?

●8 利用可能なソフトウェアの数

驚かれるかもしれないが、Linuxで利用可能なソフトウェアの多さはMac OS Xの比ではない。(中略)GoogleからMac OS X用とLinux用のソフトウェアを検索してみた。その結果、Mac OS X用は1910万件、Linux用は4570万件がヒットした。

数が多いことが優位性につながるとは思えないが、純粋に数の勝負(多い方が勝ち)ならLinuxの勝ちになるのだろう。個人的には、MacでAdobe IllustratorとPhotoshopが使え、Word,、Excel、PowerPoint、そして、iTunesが動くことの方が、数千のテキストエディタが動くことより重要だ。

●9 ユーザーに対するやさしさ

Linuxの場合、さまざまなレベルのデスクトップエクスペリエンスが用意されている。GNOMEやKDEを用いることで、Mac OS Xとよく似た、とてもユーザーにやさしいエクスペリエンスを実現することができる。あるいは、デスクトップ代わりにコンソールを使用することで、まったく逆の方向を追求することもできる。(中略)Appleのデスクトップを使用する場合、Mac OS Xにすべてのコントロールを任せることになる一方、Linuxのデスクトップを使用する場合、あなたがすべてをコントロールできるようになるのだ。

これは1と同じだと思う。Mac OSXが果物を切るのに極限まで使いやすくした果物ナイフだとしたら、ここでいうLinuxは十徳ナイフだと思う。これは特徴であって優位性ではないと思う。

●10 キーボードの効率性

これもあまり気にならないことなのでツッコミづらい。個人的にはフォルダの上書きコピー時にMac OSXだとマージされずに差し替えになることの方が気になる。そのあたりをスルーしているあたり、この著者はあまりMac OSXを使っていないんだと思う。上書きコピーの動作は、WindowsやLinuxを使っている人なら、一番ショックな動作だと思う。

総括としては、最も優れたものが最も大きなシェアを握るとは限らないものの、Linuxが無料で、最も柔軟性があり、低いハードウェア要件で動き、セキュリティが強固で、たくさんのソフトウェアがあり、ユーザにも優しいなら、Windowsの牙城を崩すことはそう難しいことではないと思う。そうじゃないから苦しんでるんだと思うけど。個人的には、Linuxをデスクトップとして使うつもりはないが、サーバ用途としては(基本的には)Linux以外の選択肢はないというくらいに思っている。少なくとも、サーバ市場ではWindowsから首位を奪うくらいの勢いを見せてほしいし、もちろん、可能性もあると思う。


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